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- 人が辞めない会社にこだわる理由
- 2021/11/09
人事の役割とは、企業や組織の理念・ビジョンの実現に向けて、構成する人(人的リソース)を最大限活用することだと考えております。
そのために、働く人のモチベーション(やる気)を高め、成長を促進していく環境整備が必要となります。
さて、今回のテーマである「人が辞めない会社」について考えてみます。
若手社員・中堅社員・幹部社員・シニア社員、それぞれ個別の事情はあるものの、代表的な離職理由として以下の理由が挙げられます。
若手社員であれば、入社前に思っていたものと違う。
「思っていたもの」とは仕事そのものや社風・人間関係、あるいは労働時間・休日・給与などの待遇面。
中堅社員であれば、将来への不安や上司との確執。
このまま同じ仕事をしていて給与は上がるのだろうか?成長できるのだろうか?といった不安。
この上司の下では働きたくない、といった不満。
幹部社員であれば、経営との不一致。
意思決定者の事業方針に納得いかないという不満。
組織が短期的ではなく、永続的に発展していくことを目的とするのであれば、
組織として、これまで挙げたような離職理由となる原因と向き合いながら
真摯に一歩ずつ改善を進めていくことが必要だと考えています。
思っていたものと違うのであれば、何が違うのか、なぜ違ってくるのかという認識の相互理解。
将来不安があるのであれば、「何をやりたいのか、どんなことで貢献したいのか」という
社員個人のビジョンを組織として把握する一方で、組織からの期待を整理し伝えていく。
そして、その結果を人員配置の検討材料とする、場合によっては経営への提言機会を創出する。
上司に不満があるのであれば、果たして何が不満なのか、聴く耳を持ってみる。
評価基準なのか、コミュニケーションの有り様なのか。一方でそこに部下自身の問題はないのか。
意思決定に不満があるのであれば、なぜそのような意思決定を行なったのか尋ねてみる。
あるいは経営から丁寧な説明をする機会を設ける。
現在の外部環境の変化及び自社のリソースをどのように認識し、将来の姿をどのように捉えているのか。
そして、その認識がどう経営判断に影響しているのか。
キャノン(株)会長の御手洗冨士夫氏の言葉に
「経営はコミュニケーションである」という言葉があります。
また、最近ではGoogleのプロジェクトアリストテレスで有名ですが
生産性を左右するものは「心理的安全性」であるとも。
人が辞めにくい会社づくりを進めるということは「対話・議論」を進める取り組みであり、
結果として従業員の仕事そのものに対する意欲、職場への貢献意欲、自己成長への意欲を引き出し、
生産性や業績を安定的に向上させていく。
今時の言葉で言えば、エンゲージメントを高めるという言い方もできるでしょう。
私が「人が辞めない会社」に拘っていきたい理由について書いてみました。